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AECP 7.0:VMwareの先へ。 クラウドとAI時代を見据えた統合プラットフォーム

Published on by Arcfra Team
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VMwareからの移行は、単にハイパーバイザーを置き換えることではなく、次世代のIT基盤となるプラットフォームそのものを選択することです。AECP 7.0は、既存ストレージの活用からエージェント型AIの導入まで、プラットフォームが対応する領域を拡大するとともに、各レイヤーの機能と性能をさらに強化します。

VMware代替製品をテーマとした連載記事

「Beyond the Hypervisor Swap」では、VMwareの代替プラットフォームを評価する際には、次の2つの視点が重要であると述べました。

適用範囲: 現在のVMware環境が担っているストレージ、ネットワーク、仮想デスクトップ、バックアップ、AIなど、インフラのあらゆるレイヤーと利用シーンをカバーできるか。

機能の深さ: 各レイヤーが、ミッションクリティカルな業務に求められる可用性、性能、セキュリティ、運用性を備え、企業の本番環境における負荷に対応できるか。

AECPは、まさにこの2つの要件に応えるために開発された、仮想マシン、コンテナ、AIワークロードを支えるエンタープライズ向け統合プラットフォームです。単一の管理コンソールからプラットフォーム全体を一元管理でき、Gartner、GigaOm、DCIGからも評価されています。

AECP 7.0では、この2つの評価軸のいずれにおいても、プラットフォーム全体にわたる大幅な機能強化を実現しました。

評価軸拡張・強化領域新たな取り組み
適用範囲既存SANを活用した3
層アーキテクチャ
FCまたはiSCSI接続の外部ストレージ装置上で稼働す
る「AECP Compute Edition」
VCFSクラスターファイルシステムを搭載
適用範囲仮想デスクトップvSphere と vSAN を置き換える Omnissa Horizon 向
けの新エディション「AECP VDI Standard」。AVE と
ABS はいずれも Omnissa 認定済み
適用範囲バックアップ製品と
の連携
Commvault、Veeam、NetBackup との連携をサポ
ート
適用範囲エージェント型 AINeutree MaaS プラットフォーム。OIDC と Active
Directory 連携によるマルチテナント対応、エンド
ツーエンドの監視性、KV キャッシュの外部退避、
高可用性を実現
適用範囲ネットワークANS におけるレイヤー 7 負荷分散機能を追加。既存
のレイヤー 4 負荷分散と組み合わせて利用可能
深さリソース効率VM 単位のメモリオーバーコミットと Boost モード
により露ソース利用効率を工場
深さセキュリティVM のセキュアブート、vTPM、ホストのファイアウ
ォールルールの自動設定に対応
深さ運用単一の AOC コンソールからHCI クラスターと非 HCI
クラスターを一元管理。容量予想機能も提供

以下では、各分野における主な機能強化と新たな取り組みについて詳しく紹介します。

1. 既存ストレージを生かす:AECP Compute Edition

多くのVMware代替製品では、ハイパーバイザーとストレージを同時に置き換える必要があります。これに対し、AECP Compute Editionは、コンピュートとストレージの選択を切り離すアプローチを採用しています。既存のエンタープライズ向けSANストレージにFCまたはiSCSIで接続し、Arcfra Virtualization Engine(AVE)ハイパーバイザーを稼働させることができるため、新たにストレージを購入することなく、既存のストレージ資産を継続して活用できます。

この仕組みを支える中核技術が、Arcfra独自のクラスターファイルシステム「VCFS(Virtualization Cluster File System)」です。VCFSは、SAN上のLUNをフォーマットし、クラスター内のすべてのホストから共有データストアとしてマウントできるようにします。VMの仮想ディスクは、VMFS上でVMDKファイルとして管理されるのと同様に、VCFSデータストア上のファイルとして管理されます。そのため、vSphereを利用してきた運用チームにとっても、従来の運用モデルを維持しながら移行しやすい設計となっています。

AECP 7.0のCompute Editionでは、主に以下の機能を提供します。

  • FC/iSCSI接続とストレージ管理: FCおよびiSCSI接続、マルチパス構成、ストレージアダプターやデバイスの管理に対応。
  • 柔軟なデータストア管理: VCFSデータストアの管理に加え、シンプロビジョニングとシックプロビジョニングの両方に対応。UNMAPによる未使用領域のストレージ装置への自動返却も可能。
  • ストレージI/O制御: VMおよび仮想ボリューム単位でI/O QoSを設定可能。
  • スナップショット: VMスナップショットとスケジュール設定に対応。クラッシュ整合性およびファイルシステム整合性をサポート。
  • リソース最適化とライブマイグレーション: 外部ストレージ環境に最適化したDRSに加え、クラスター間のコンピュートライブマイグレーションに対応。
  • 監視とアラート: データストアの容量、性能、健全性を継続的に監視し、アラートを通知。
構成上限AECP 7.0 Compute Edition
VCFS データストアあたりのホスト数64
データストア容量128 TiB
仮想ディスク容量64 TiB
ホストあたりのデータストア数または LUN 数1,024
VCFS データストアあたりの稼働中 VM 数4,096

既存のストレージ装置やファブリックに加え、ストレージ運用チームが使用している既存の手順書もそのまま活用できます。コンピュートとストレージをそれぞれ独立して拡張できるほか、同一のAOCコンソールからAECP Compute Editionと統合クラスターを一元管理できます。

2. 既存ハードウェアを活用し、セキュリティを強化

M単位のメモリオーバーコミット: AECP 7.0では、既存ホストのVM集約率を高めるため、VM単位のメモリオーバーコミット機能を追加しました。メモリをオーバーコミットした各VMには、専用の分離されたスワップボリュームが割り当てられるため、複数のVMがホスト共通のスワップ領域を奪い合うことはありません。また、ポリシーはクラスター、ホスト、VMの各単位で設定できます。例えば、重要なデータベースには必要なメモリを予約したまま、デスクトップ、オフィスアプリケーション、テスト環境などのワークロードで残りのメモリを効率的に共有できます。

VM 単位の Boost モード: AECP Compute Editionでは、

I/O性能 を高速化する Boost モード をクラスター全体ではなく VM ごとに有効化できるようになりました。これにより、追加のCPU負荷を必要とするVMだけに限定し、リソースを効率的に活用できます。

VM のセキュアブートと vTPM: AECP 7.0では、VMのセキュアブートと仮想Trusted Platform Module(vTPM)に新たに対応しました。これらの機能は、統合クラスターだけでなく外部ストレージ環境でも利用できます。セキュアブートはゲストOSの起動プロセスを保護し、vTPMはBitLockerやCredential Guard、Windows 11で必要となる仮想TPM機能を提供します。

ホストのファイアウォールの自動設定: クラスターサービスが、ホストのアクセス許可リストに必要なルールを自動的に追加・維持するようになりました。これにより、管理者が必要なルールを手動で登録する手間を削減し、ホストのセキュリティ設定を適切に維持できます。

VMToolsの独立した更新: VMToolsをAECPプラットフォームとは独立して更新できるようになりました。これにより、ゲストOS側のツールを更新するために、プラットフォーム全体のアップデートを待つ必要がなくなり、メンテナンスの柔軟性が向上します。

3. 運用開始後の管理と移行を簡素化

AECP 7.0では、ハイパーバイザーだけでなく、その周辺の管理・運用サービスも強化し、導入後の日常的な運用から既存環境の移行までをより簡素化します。

  • HCI・非HCI環境の一元管理: AOC 4.10では、AECP Compute Edition(非HCI)とHCIクラスターを単一の管理コンソールから一元管理できます。また、AOC自体もVCFSを利用した外部ストレージ環境上で稼働できるようになりました。
  • 日本語対応: AOC 4.10では、日本の顧客およびパートナーの利便性向上に向けて、管理コンソールの主要画面を日本語化しました。
  • ネットワーク管理の強化: カスタムシステムネットワークにおいて、分散仮想スイッチ、VLAN、トランク構成に対応するとともに、静的ルーティングを利用した複数のストレージネットワークをサポートします。また、ネットワーク通信の可視化機能もカスタムシステムネットワークに対応し、ネットワーク構成の把握やトラブルシューティングを支援します。
  • 容量予測機能: Observability 1.5では、新たに容量予測機能を追加しました。リソースの利用状況や将来の容量需要を把握し、計画的なインフラ運用を支援します。
  • VMware環境からの移行を簡素化: Arcfra Migration Tool 2.1は、2026年11月上旬の提供開始を予定しています。ESXi 5.0~8.0およびvCenter 6.0~8.0からAECPへのエージェントレス・ウォームマイグレーションに対応し、既存のVMware環境からの移行負担を軽減します。

4. ネットワーク:レイヤー 7 の負荷分散

これまでANSは、IPアドレスやポート番号などに基づくレイヤー4の負荷分散を提供してきました。ANS 3.6では、新たにレイヤー7の負荷分散機能を追加し、レイヤー4とレイヤー7の負荷分散を組み合わせて利用できるようになりました。

これにより、従来の接続レベルでの負荷分散に加え、HTTPリクエストなどのアプリケーションレベルの通信にも対応し、より柔軟で高度なトラフィック制御をプラットフォーム上で実現します。

5. 既存の仮想デスクトップ環境を進化させる:AECP VDI Standard

AECP VDI Standardは、Omnissa Horizon向けに設計されたエディションであり、企業利用に求められる2つの中核製品、Arcfra AVEハイパーバイザーとABS(Arcfra Block Storage)を組み合わせて提供します。AECPは「Omnissa Ready — Horizon」バッジを取得しており、導入後はOmnissaとArcfraによる共同サポート体制を利用できます。

Omnissa認定のハイパーバイザーとストレージ: AVEとABSは、それぞれHorizon向けにOmnissaの認定を取得しています。これにより、検証済みのハイパーバイザーとブロックストレージを基盤として、安心して仮想デスクトップ環境を構築・運用できます。

CPUコア単位のライセンスでストレージ容量は無制限: ライセンスはCPUコア単位で提供され、ストレージ容量に制限はありません。仮想デスクトップ環境を拡張する際も、ストレージ容量に応じた追加ライセンス費用は発生しません。

起動・ログイン集中時にも安定した性能を確保: データをローカルホスト上に配置する設計により、読み取りI/Oをローカルで処理できます。これにより、デスクトップの一斉起動やログインが集中する時間帯でも、ネットワークの輻輳を抑え、安定した性能を維持します。

インフラソフトウェア費用を削減: 一般業務ユーザー500席を想定した参照構成では、HCIモードにおいて、Broadcom VMwareと比較してインフラソフトウェア費用を最大67%削減できます。

ゼロトラスト型の仮想デスクトップ環境: 分散ファイアウォールにより、すべてのデスクトップに対して東西方向の通信をデフォルトで拒否するポリシーを適用できます。これにより、セキュリティ侵害が発生したデスクトップを数秒で隔離し、被害の拡大を防ぎます。

VDI StandardはHCIモードで稼働します。一方、vSphereライセンスを維持しながらvSANのみを置き換えたい場合は、VDI Essentialから導入を開始し、後からVDI Standardへ移行することも可能です。

6. 既存のバックアップソフトウェアをそのまま活用

ハイパーバイザーを変更しても、データ保護の仕組みまで変更する必要はありません。ECP 7.0では、既存のバックアップ製品やバックアップリポジトリ、データの保存期間に関するポリシーを継続して利用できます。

バックアップ製品ごとの対応状況は以下のとおりです。

バックアップ製品統合構成(ACOS)Compute Edition
CommvaultData Protection Adapter
経由で現在提供中
DPA 1.1 で対応予定(早ければ 2026年12 月末)
VeeamData Protection Adapter
経由で現在提供中
DPA 1.1 で対応予定(早ければ 2026年12 月末)
NetBackupABDR 2.4ABDR 2.5で対応予定(早ければ 2026年11 月末)

Data Protection Adapter(DPA)はエージェントレス方式を採用しています。CommvaultとVeeamは、両製品が標準でサポートするoVirt APIを通じてAECP上の仮想マシンを保護するため、各VM内に追加のソフトウェアをインストールする必要はありません。

また、ABDR 2.5では、Arcfra独自のバックアップおよびレプリケーション機能をCompute Editionでも利用できるようになります。これにより、既存のバックアップ製品との連携に加え、AECPの機能を活用したデータ保護の選択肢も広がります。

7. 同じプラットフォームでエージェント型 AI を活用:Neutree によるモデルサービスの拡張

AIエージェントは、単一のモデルを呼び出すだけではありません。各チームが日常的に多数のモデルを利用するため、共通のモデルサービス基盤がなければ、チームごとにGPUリソースやモデルの複製、APIキーを個別に管理する必要が生じます。その結果、新たなAIエージェントを導入するたびに、インフラコストや運用負荷、セキュリティ上のリスクが増大します。

Neutreeは、Arcfraが提供するModel-as-a-Service(MaaS)プラットフォームです。モデルの一元登録、推論リクエストを集約する共通ゲートウェイ、チームごとの利用枠管理やアクセスログなどの機能を提供します。また、VMと同じAECPプラットフォーム上でオンプレミス稼働するため、企業の既存インフラを活用しながら、AIモデルの利用環境を統合できます。

2026年10月上旬に公開されたNeutree 1.2.1では、モデルの負荷分散機能と、推論エンジンvLLM 0.31.0への対応を追加しました。

さらに、2026年11月16日に提供予定のNeutree 1.3では、MaaS基盤としての機能を一段と強化し、以下に対応する予定です。

  • マルチテナント対応: OIDCおよびActive Directoryとの連携による、ユーザーや組織単位での認証・アクセス管理
  • エンドツーエンドの可観測性: モデルへのリクエストから推論処理まで、利用状況や処理状況を可視化
  • KVキャッシュの外部退避: KVキャッシュを外部ストレージへ退避することで、GPUメモリの効率的な活用を支援
  • 高可用性: 障害発生時にもモデルサービスを継続できる可用性を強化

今後の予定

AECP 7.0 U1では、Compute Editionの機能をさらに拡張し、外部ストレージとローカルディスクを組み合わせた構成、Oracle RAC向け共有ボリューム、ストレージを含むクラスター間移行、単一ノードおよび2ノード構成のクラスターに対応する予定です。

VMwareからの移行も、プライベートAIの活用も。すべてを1つのプラットフォームで。

About Arcfra

Arcfra simplifies enterprise cloud infrastructure with a full-stack, software-defined platform built for the AI era. We deliver computing, storage, networking, security, Kubernetes, and more — all in one streamlined solution. Supporting VMs, containers, and AI workloads, Arcfra offers future-proof infrastructure trusted by enterprises across e-commerce, finance, and manufacturing. Arcfra is recognized by Gartner as a Representative Vendor in full-stack hyperconverged infrastructure. Learn more at www.arcfra.com.